母の癌は、右耳の下辺りから首にかけて、さわってわかるだけでも4~5個はありました。耳の下には、たくさんの神経があり、手術で神経も取らなければならないようでした。その神経を取ることによって、母の右側の顔が麻痺するとのことでした。眉毛は下にさがり、まぶたは閉じなくなり、ほうれいせんがなくなり、口元が右にさがり閉じなくなる。母の顔の右側だけが変形するのです。

ですが癌研の場合、術後のQOLを考え、癌摘出後すぐに形成外科の先生により顔面の形成が行われます。眉毛は左右対称になるようにあげ、まぶたにはおもりの金の板を入れまぶたが閉じるようにし、ほほと口元が垂れ下がるので、皮膚のしたでつりあげ、ほうれいせんは縫って作る・・・正直、想像もつきませんでした。ただ、麻痺がわからないようにしてもらえるんだ。と少しだけ安心もしました。

 

肝心のしこりの部分の手術は、癌が広がってきていたので、耳の下から鎖骨付近までリンパ節郭清も含め、20センチ以上の傷がつき、耳の下はごっそりえぐり取るかんじになる。とのことでした。

ついこの間まで何でもなかったのに、今だってしこりがある以外は何の変わりもないのに・・・。きっと母はもちろん、みんながそう思っていたと思います。

母は癌と分かってから手術までの間で、精神的なストレスから10キロ近く体重が落ちてしまいました。