手術後

手術が終わって2日後だったか、初めて自分の顔を鏡で見た母は、やはりあまりの酷さにビックリしたようだった。

「孫たちがショックをうけてトラウマになっても嫌だから、しばらく会わない方がいいのではないか・・・。」と言ったぐらい人に顔を見られるのが怖かったのだと思う。

幸い私の長男は中学2年生になっていたので、たいがいのことは理解できていたので、「大丈夫だよ!ばあちゃんはばあちゃんだから!」と言ってくれ、その後休みの日にお見舞いに行った時は、「思ったより酷くなかった。逆に、後から少し良くなったばあちゃんを見ても、違うって思ったかもしれない。」と言っていました。

心やさしい息子に感謝でした。

 

母が入院していた病棟は、頭頸部の癌の病棟でした。頭頸部の癌というのは、首から顔面で頭の癌は含まないのですが、圧倒的に男の人が多く、咽頭癌、舌癌、耳下腺癌、甲状腺癌、口腔癌、喉頭癌などがあるようです。(他にもあると思いますが、分かるだけあげてみました。)

母がここに入院するまで、知らなかった癌や聞きなれない癌も多々ある病棟でした。

なにより内臓系の癌と違って、見た目にハンデを負ってしまうことが多く、母のように顔面の変形の患者さんもいましたし、口から食事ができない、話すことができない方、鼻を手術した方、などいろいろな方がいらっしゃいました。

頭頸部の癌がすべてそうだとは言いませんが、そういう患者さんが多かったです。

なので母は、病棟ではあまり人目を気にすることなく入院生活を送ることができたと思います。